退職時に有給を消化するには

・退職に合わせて有給消化をしてもよいの?

一般的な企業では、夏と冬に5日程度の休暇があるので、付与されている有給消化をしっかり使っているという人は少ないようです。
仕事が忙しくて有給消化を使っていない人になると、30日以上も残ったままになっている人がいるので、それを全部消化した場合、もともと設定されている休みを含めると、1ヶ月半ほど休めてしまうことになります。

労働基準法で考えたとき、有給はどのような状況でも消化する権利があるとされているので、退職時に合わせて有給消化をすることは、けっして悪いことではありません。
実際、退職時にまとめて有給消化をする人は多いですよね。

・有給消化をするときのポイント

退社するときに必ず必要になる業務が「引き継ぎ」です。
引き継ぎをしないとその後の仕事が回らなくなってしまいますので、自分が担当していた業務を引き継いでくれる人が決まったら、引き継ぎを行ってから退社することは、最低限のマナーになります。

有給消化は後ろめたいことではないので、しっかり消化するべきなのですが、有給消化のために引き継ぎの時間を削られてしまう、というのはよくありません。
有給の日数と退社日を照らし合わせ、引き継ぎを開始する時期を決めた上で、計画的に有給消化に入りましょう。

ちなみに、1年間に付与される有給は、勤続半年で10日、2年半で12日など、その人の勤続年数によって異なります。
また、有給は翌年に持ち越されていることもあるため、まったく使っていない人は、かなりの日数が残っている場合がありますので、退社を決めたらまず有給日数について確認してみましょう。

・実際の退職者は有給消化できている?

転職が理由で退職する場合、新しい転職先の入社日との兼ね合いがあります。
多くの場合、現職に在籍しながら転職活動をし、採用された場合は転職先で引継ぎ日数や有給消化を加味して、入社日を考慮してくれるのですが、有給があまりたくさん残っている場合は、そのすべてを消化できない人もいるようです。

例えば、冒頭で触れた有給が30日ある人の場合、引継ぎなどを考えたら1ヶ月半も休むことはできず、10日の有給は流して、20日だけ有給消化をした、というケースがあります。
それでも、土日祝日にもともと設定されている休日があるので、まるまる1ヶ月を休むことができ、その間に転職準備などに入れたので、本人としては納得できている様子。

会社によっては退職時の有給消化を渋るところもあるようですが、これまで頑張って働いてきたからこそ有給が付与されているのですから、ここは甘えて消化させてもらってよいと思います。
ただ、引継ぎはしっかり行い、「飛ぶ鳥跡を濁さず」で気持ちよい退社をしてください。