・退職金は企業によって大きく差がある
会社を退職する際に、気になるのが「退職金」です。
退職金は勤続年数によっても大きく変わってきますが、企業によっても設定されている金額が異なりますので、一概にいくら、ということはいえません。
ただ、一般的な企業で平均すると、例えば勤続10年の社員の場合、自己都合退職だと退職金は120万円前後だといわれています。
勤続25年の社員が自己都合で退職した場合の退職金は630万円前後、定年退職の場合は2,000万円弱が平均のようです。
しかしこれはあくまで平均金額で、大企業と中小企業で比較した場合、定年退職における退職金は、なんと1,000万円以上もの差があるのだとか。
また、公務員と民間企業の退職金についてもかなりの差があるので、平均金額はあまり当てにならないと考えたほうがよいかもしれません。
・退職金と退職年金
一言で「退職金」と聞いた時は、退職したときに支払われるお金をイメージすると思います。
退職金には大きく分けて2種類あり、「退職一時金」と「退職年金」に分けられます。
前述した退職金の平均金額は、「退職一時金」の金額です。
では退職年金とは何かというと、退職後に定期的に支払われるお金のことをいいいます。
国民年金や厚生年金とはまた別のもので、企業が任意で行っている年金です。
これは在職時に積み立てられているので、退職後国民年金や厚生年金のような形で定期的に支給されます。
・退職金のシステムが変わりつつある
仕事を辞めたら退職金が支払われると思っている人がほとんどかもしれませんが、実は退職金制度を導入していない企業もたくさんあります。
転職を検討している人は、退職金制度があるかどうかを確認しておくことはとても重要です。
また、退職金制度を設けている会社の多くが、前述した「退職一時金」を支払うシステムを導入していますが、この退職一時金制度を廃止し、「退職年金」にシフトするという動きも見られています。
この背景として、長く続く不景気により、どの企業も倒産の危機にさらされていることが大きいです。
企業が倒産してしまった場合、退職一時金を全額支払うことができない可能性があります。
そうなると、社員の老後がとても厳しい状態になってしまうため、一時金制度ではなく、社員個人が積み立てる形となる退職年金制度を導入し、退職金を支払うことができないという状態をなくそうと考えているのです。
一言で退職金といっても、その内情は意外と複雑ですし、退職金自体が存在しない企業があることを考えると、就職や転職における企業選びは、本当に慎重に行わうべきだということがわかりますね。
現在転職を検討している人は、自分のライフスタイルと照らし合わせながら、ニーズに合った退職金制度を導入している会社を探してみましょう。